今日、私たちは政治学の絶対的価値の一つとして「デモクラシー」をしばしば口にする。「デモクラシー」という用語自体は、ギリシア語のデーモス=人民と、クラティーヤ=権力の合成から成った用語であるが、しかし人民権力とは一体何を意味するのであろうか。
「人民」なる概念もジョン・ロックと力ール.マルクスでは大きな違いが見られるし、「権力」なる概念も又それぞれの思想家によって微妙な異なりを見せる。それぞれの思想家がそれぞれの想いを込めて、それぞれの用語を使用したのであるならば、そうした思想家たちのそれぞれの概念には独自の意味合いが込められているのであろう。それらの意味合いを考察することなしに、私たちはそれぞれの思想家を真に理解することにはならないのではあるまいか。
本書では、この困難な問題に対して研究の方法を吟味しつつ新たな思想史研究へのアプローチを試みている。
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序:思想史研究の方法と課題
歴史的アプローチ
非歴史的アプローチ
第1章:近代の幕開け
[第1節] ルネッサンスと宗教改革
[第2節] ニッコロ・マキアヴェリ
『君主論』と『政略論』
人間観とあるべき君主像
ヴィルトゥとフォルトゥナ
[第3節] トマス・ホッブズ
人間観と自然状態
自然法と契約
国家論
研究への視点
第2章:自由主義の思想的源流
[第1節] ジョン・ロック
自然権と自然状態
自然状態の限界と社会契約
ロック国家論
権力の分立
[第2節] ジャン=ジャック・ルソー
文明社会批判
社会契約と一般意志
研究への視点
第3章:自由主義思想の諸潮流
大衆社会への警告者群像
[第1節] ダビッド・ヒューム
理性批判
政府論
[第2節] ジェレミー・ベンサム
自然法及び契約思想批判
功利主義
法律及び議会改革
[第3節] ジョン・スチュアート・ミル
個性の擁護
自由論
研究への視点
第4章:フランス革命を計器とする二つの思想的潮流
[第1節] 保守主義思想の源流
エドマンド・バーク
フランス革命批判
アレクシス・ド・トクヴィル
アメリカン・デモクラシー
フランス社会の診断
[第2節] フランス初期社会主義思想
バブーフ
サン・シモン
フーリエ
研究への視点
第5章:社会主義思想の諸潮流
[第1節] マルクス、レーニン
カール・マルクス
レーニン
[第2節] ドイツ社会民主主義思想
[第3節] ユーロ・コミュニズム
イタリア
フランス
スペイン
研究への視点
第6章:現代の政治思想
[第1節] 自由主義政治思想の課題
ハンナ・アレント
ユルゲン・ハバーマス
ロールズ
ノージック
ドゥオーキン
脱冷戦時代のリベラル・デモクラシー
[第2節] 社会主義政治思想の課題
研究への視点
あとがき
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