-- 立ち読みコーナー --

森林は誰のもの  
日置幸雄 著/2000.12.30発行/四六判/256P
ドイツの子供たちに将来の夢を聞くと、第1位が森林官(森林技術者)だという。日本は国土の7割が森林で占められる森林国でありながら、欧米等に比較して国民の森林に対する関心は低い。
その森林国も、豊かな外見と裏腹に、内部は荒廃が進んでいる。
これは、保全〜治山一筋に歩んできた森林技術者の、警告を含めた緑の哲学である。
国内はもとより世界の森林を歩き、その荒廃ぶりにオロオロした著者の手記は、環境破壊の危機と、森林保全の重大さを、実感をもって訴えかけてくる。森林、酸性雨、水、熱帯雨林、山崩れ、砂漠緑化、阪神大震災、土壌、縄文杉、長良川、公共事業など環境問題を考えるとき欠かすことのできない問題をテーマごとにとりあげ、読みやすくまとめた環境問題の入門書としても必読の1冊。





東京新聞(2001/2.18付)書評

治山整備で土砂災害から人々を守った先人の伝記に感激し林学の道を選んだ著書を驚かせたのは、木材生産一辺倒で森林保全を忘れた国有林管理者の姿。ブナをはじめ森の母ともいうべき広葉樹を全国的に伐採しスギに転換した結果、相次ぐ自然災害が発生し、さらに膨大な赤字で国有林経営は破たんした。白神山地・屋久島など人類の遺産にも大きな傷を負わせた失政のツケから、いかに立ち直るかを説いた建設コンサルタントの提言。


目次
第1章 人間と自然
1. 地球人のマナー
2. コンクリートと森林と
3. 森林官
4. 森林のちから
5. ところ変われば
6. 環境を守る
7. 酸性雨
8. ミネラルウォーター
9. 屋久島−世界の自然遺産
10. 森林レクリエーション
11. ザツという木
12. 熱帯雨林
13. 襟裳の春は…
14. 防災か景観か
15. 環境サロン「新橋の友」



第2章 人間と土壌〜偉大なる土壌圏
1. 土壌圏〜土に生きる
2. 山崩れ災害
3. 長良川
4. ドングリはどう捲くか
5. 森林づくり
6. 土壌のない学校
7. 砂漠緑化のさむらい
8. 黒い森林
9. 森林がつくる美味い水
10. 阪神大震災に思う
11. 植物の根〜縁の下の力持ち
12. 公共投資を考える
13. 水田はダムか
14. 汚れゆく沖縄の海
15. 技術者・コンサル・お役人
16. 劣化する地球の土壌
17. 土いろいろ



第3章 ブナ礼讃〜白神山地から見る人間と自然
1. 静寂
2. 保水力
3. 春の息吹
4. 二つの森の国
5. クマゲラの嘆き
6. 森林の知恵
7. 遠い自然
8. 青秋林道
9. 雑木の怒り
10. 伐採無残
11. 森林の遺伝子
12. へりくつ
13. 過疎の村
14. 名もない草木
15. 森の動物たち
16. 豊穣の秋
17. ブナいろいろ



第4章 自然破壊への憂い〜森林を軸に考える
1. 森林の持続
2. 赤字3兆5千億円
3. 降り注ぐ酸性のシャワー
4. 山津波(上)
5. 山津波(下)
6. 悲しい熱帯雨林
7. 宿命の災害列島
8. 似非について
9. 地球の砂漠化
10. 縄文杉探訪
11. 手遅れの森林
12. 公共事業
13. 環境酒場



第5章 森林のはたらきを知る
1. 東京都民の森と私
2. 治山博物館をつくる
3. 童話「緑を運んだ鳥」




本体価格:1,600円+税   


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