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新版 現代政治の理論と諸相  
秋山和宏(日本大学法学部教授)他11名/2002.10.30発行/A5判/332P

 新聞やテレビのニュースに目をやると政治家、政府、政党、政局、政権、政策等々、「政」の字のつく言葉が数多く使われていることに気がつく。これらはいずれも「政治」に関わる言葉であることは言うまでもない。このようにわれわれは自分には関係ないと思っていても、周囲を政治に取り囲まれているのである。日常生活面から考えてみても、出生についての役所への届けから始まり、一生の間政治とは無縁でいられない。道路、公園、学校、保育所、下水道、福祉、医療保険、年金、物価安定、景気、治安・安全保障、食糧の安定確保等々はいずれも政治の働きに関係している。 

 われわれは普段、政治という言葉を何気なく使っているが、あらためて「政治とは何か」を明らかにしようとすると、実は非常に難しい。この問いは政治学が始まって以来永遠のテーマとして何千年もの間繰り返されて来ており、今日でも政治学を学ぶと最初に出くわす問題である。それだけでなく政治について学んで行く途上で、またひとしきり学んだ後で考えるべき政治学の基本中の基本問題であり、応用問題でもある。さらに「政治についての定義は政治学者の数ほどある」とも言われる。

 つまりは政治学者間にさえ政治について認識の一致が得られているわけではないということである。何千年の歴史を持ちながらこのような基本的問いかけに十分な、一致した答えを未だ見出せないのは政治学者の無能か怠慢か。恐らくそうではないだろう。その理由は、認識の対象とする政治現象が、生来矛盾や限界をかかえた人間によって、理想と現実、合理性と非含理性、タテマエとホンネの両極で織りなされる営みといった特徴を濃厚にもっているため、法則化が容易でないということによる。

 さらに観察者自身が現実の社会や政治の渦中に一定の位置を占めつつ政治を観察せざるをえないことも、認識の一致を困難にしている一因である。そこでできるだけそうした拘束から自由に対象を認識することが要請されるが、政治については直接自分自身の利害にかかわる事象が多く、客観性が確保されにくい。同様の理由で政治分析のための用語(例えば国家、階級、権力)も価値中立的でありえない。

 要するに政治学が研究対象とする政治なるものが非力な人間を寄せ付けないほど巨大で複雑な怪獣ともいうべき代物なのである。このことを実感しながら、あえて怪獣の正体解明に挑んでいこうとしているのが政治学である。(本文01 政治の現在より)

旧版に加筆訂正しました。



目次
第1部 政治の一般理論
01 政治の現在
02 政治と政治学
03 政治権力
04 政治体制
05 政治制度の比較
06 政治文化と政治変動
07 選挙と選挙制度
08 政党・圧力団体・市民運動団体
09 現代社会の諸相と政治
10 大衆民主主義
11 現代政治における自由と平等 
12 近代の民主主義


第2部 現代日本の政治
13 現代日本の政治
14 日本の政治の仕組み  
15 日本の政治過程・政策決定過程    
16 現代日本の政党・圧力団体・市民運動団体
17 地方自治  
18 政治と行政  
19 政治家と官僚  
20 有権者と政治 
21 ポリティカル・マネー  
22 現代日本の外交 
23 日本政治の諸問題


第3部 グローバル化のなかの政治   
24 国際社会の変容  
25 国際紛争の現在
26 近代国家の「ゆらぎ」

索 引
奥 付



本体価格:2.800円+税   


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