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天才と才人 ウィトゲンシュタインへのショーペンハウアーの影響  
D.A.ワイナー著 寺中平治/米澤克夫 訳/2003.1.31発行/四六判/280P
すべての現代哲学者の中で、自分が誰に知的な恩恵を受けているかということについて、ウィトゲンシュタインは、おそらくもっとも無頓着な人物であったと言えるだろう。ウィトゲンシュタインの用語や思想の多くは、他の哲学者に由来しているということは確かだが、彼の著作や諸論文には、まったくと言ってよいほど、注や引用文や文献の出典に関する情報は含まれていない。彼は、他の思想家との関連を「ほとんど隠すのに努力したと言っていい」ように見えるのである。実際ウィトゲンシュタインはしばしば、故意に「他の人々の著作に通じていないことに、注意を向けさせようとした」。このようにして彼は、その哲学が無から生み出された超天才であるという誤ったイメージを作り上げるよう、もくろんだのだ。

ウィトゲンシュタインとショーペンハウアーとの関係は、特に奇妙である。ウィトゲンシュタインの哲学的な思索においてショーペンハウアーは生産的な役割を演じたにもかかわらず、公刊物のいずれにおいても、彼はショーペンハウアーの名前を挙げてはいないのである。彼が私的なノートや日記(『草稿』)や会話でしか、ショーペンハウアーからの恩恵を認めていないのは、不思議なことである。
(本文より)

目次
はじめに

序 論 ウィトゲンシュタインの不安

第1章 言語と哲学


第2章 世界の喪失


第3章 永遠の現在


訳者あとがき

原注

訳注

参考文献

索引


本体価格:2.800円+税   


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